接液部の材質は、数十年かけて HPLC 分析用に高品質の機器を開発してきたアジレント社の経験に基づき、注意深く選定されています。これらの材質は、標準の HPLC 条件下で優れた堅牢性を発揮します。特殊な条件については、「材質について」のセクションを参照するか、弊社にご連絡ください。
以降のデータは外部リソースから収集したものであり、参照用として提供されています。アジレント社はこれらの情報の正確性および完全性を保証するものではありません。データは互換性ライブラリを基にしたものであり、長期の耐用年数を推定することに特化したものではなく、UHPLC システム間、溶媒、混合溶媒、サンプル等、変動性の高い条件下のものです。この情報は、金属イオン、キレート試薬、酸素などの不純物による触媒効果のため一般化できるものでもありません。純粋な化学的腐食のほか、電食、帯電(特に非導電の有機溶媒に対して)、ポリマー部材などの膨張などを考慮する必要があります。提供されているデータの大部分は、室温(通常 20 ~ 25 ℃)のものです。腐食の可能性がある場合、通常はより高い温度で腐食が促進されます。不明点については、材質の化学的適合性に関する技術文献を参照してください。
MP35N は、非磁性のニッケル–コバルト–クロム–モリブデン合金で、幅広い濃度と温度で優れた耐腐食性(例えば硝酸、硫酸、水酸化ナトリウム、海水に対して)を示します。また、この合金は、高温による酸化に対し非常に優れた耐性を示します。優れた化学耐性および強靭性により、この合金は、歯科製品、医療機器、非磁性の電子部品、化学物質および食品処理装置、船舶用装置など、さまざまな用途に使用されています。MP35N 合金サンプルは、10 % NaCl の塩酸溶液中(pH 2.0 )で使用しても、腐食が検出されないことが確認されています。MP35N は高湿度の環境でも優れた耐腐食性を示します。多様な溶剤と条件下での影響が検査されていますが、温度、濃度、pH、不純物、ストレス、表面仕上げ、異なる金属との接触など複数の要因が腐食に影響する可能性があることには留意してください。
ポリフェニレンスルフィドは、高温下でも優れた安定性があります。多くの無機酸の希釈液に対する耐性はありますが、一部の有機化合物や酸化剤による影響を受ける可能性があります。硫酸やリン酸のような非酸化性の無機酸は、ポリフェニレンスルフィドにはあまり影響しませんが、高濃度かつ高温の場合には、材質にダメージを与える可能性があります。非酸化性の有機化学物質は、ポリフェニレンスルフィドの安定性にはあまり影響しませんが、アミン、芳香性化合物、ハロゲン化化合物は、高温下で長時間曝されると、膨張および軟化を引き起こす場合があります。硝酸(> 0.1 %)、ハロゲン化水素(> 0.1 %)、ペルオキソ酸(> 1 %)、クロロ硫酸などの強酸化性の酸はポリフェニレンスルフィドを劣化させます。ポリフェニレンスルフィドを次亜塩素酸ナトリウムや過酸化水素などの酸化剤と使用することは推奨しません。しかし、極端ではない環境下、つまり濃度が低く、露出時間が短時間であれば、ポリフェニレンスルフィドは、例えば一般的な消毒液の容器として、これらの化学物質に耐えることができます。
PEEK(ポリエーテル‐エーテルケトン)は、生体適合性、耐薬品性、機械的安定性、熱的安定性に関する優れた性質を併せ持っています。このため PEEK は、UHPLC および生化学計測機器に選択される材料となっています。
指定の pH 範囲で安定性があり(バイオイナート LC システムの場合:pH 1 ~ 13、詳細はバイオイナートモジュールマニュアルを参照)、多くの一般的な溶媒に対して不活性です。
それでも、クロロホルム、塩化メチレン、THF、DMSO、強酸(硝酸(> 10 %)、硫酸(> 10 %)、スルホン酸、トリクロロ酢酸)、ハロゲンまたはハロゲン水溶液、フェノールおよびその誘導体(クレゾール、サリチル酸など)といった化学物質には適合しないことが知られています。
室温を超える状態で使用すると、PEEK は塩基やさまざまな有機溶媒に反応し、膨張する場合があります。このような条件下では、通常の PEEK キャピラリーは高圧に敏感です。このためアジレントでは、バイオイナートシステムにはステンレス被膜の PEEK キャピラリーを使用しています。ステンレス被覆 PEEK キャピラリーを使用することで、流路にスチールを用いることなく、最大 60 MPa の圧力安定性を確保しています。不明点については、PEEK の化学的適合性に関する文献を参照してください。
アジレントでは、バルブのローターシールとオートサンプラのニードルシートに半結晶のポリイミドを使用しています。ポリイミドのサプライヤの 1 つはデュポンであり、ポリイミドを Vespel というブランド名で販売しています。アジレントは、この Vespel を使用しています。
ポリイミドは、pH 1 ~ 10 の範囲、およびほとんどの有機溶剤に対して安定です。濃縮された鉱酸(硫酸など)、氷酢酸、DMSO、THF とは使用できません。アンモニア(アルカリ条件下でのアンモニア塩など)や酢酸などの求核物質でも劣化します。
アジレントでは、UHMW(超高分子量)の PE/PTFE 混合物を黄色ピストンと洗浄シールに使用しています。これらの部品は、1290 ポンプ、G7104C、および 1260 ポンプの順相アプリケーションで使用されています。
ポリエチレンは pH 1 ~ 12.5 の範囲の酸と塩基を含むほとんどの一般的な無機溶媒に対して良好な安定性を示します。メタノール、アセトニトリル、イソプロパノールなど、クロマトグラフシステムで使用する多くの有機溶剤と適合性があります。脂肪族、芳香族、ハロゲン化炭化水素、THF、フェノールおよびその誘導体、濃縮酸や塩基では、安定性は限定的です。順相での使用では、最大圧力は、20 MPa に制限する必要があります。
タンタルは、ほとんどの一般的な HPLC 溶媒、およびフッ化水素酸と遊離三酸化硫黄を含む酸を除く、ほとんどすべての酸に対して不活性です。強塩基(例えば 10 % 以上の水酸化溶液やジエチルアミン)で腐食する可能性があります。フッ化水素酸およびフッ化物との使用は推奨しません。
ステンレスは多くの一般的な溶媒に対して不活性です。pH 範囲 1 ~ 12.5 の酸や塩基下では安定です。pH 2.3 より低い酸では腐食することがあります。また、以下の溶媒によって腐食することがあります。
ハロゲン化アルカリ化合物およびその酸溶液(例、ヨウ化リチウム、塩化カリウム)と、ハロゲン化物の水溶液。
硝酸、硫酸などの高濃度の無機酸、特に高温の有機溶媒(クロマトグラフィメソッド上可能であれば、ステンレスに対する腐食性の低いリン酸またはリン酸バッファに変更してください)。
ラジカルまたは酸、あるいはその両方を発生するハロゲン化溶媒または混合液。以下はその一例です。
2 CHCl3 + O₂ → 2 COCl₂ + 2 HCl
乾燥プロセスによって安定剤のアルコールが除去された場合、通常はステンレスを触媒として、乾燥クロロホルムでこの反応が急速に発生します。
過酸化物(THF、ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなど)を含む可能性がある、クロマトグラフィグレードのエーテル。このようなエーテルは、過酸化物を吸着する酸化アルミニウムを使用して濾過してください。
有機溶媒中の有機酸(酢酸、ギ酸など)。例えば、酢酸 1 % のメタノール溶液はスチールを腐食します。
強力なキレート試薬(EDTA、エチレンジアミン 4 酢酸など)を含む溶液。
四塩化炭素とイソプロパノールまたは THF の混合溶液。
チタンは、広い範囲の濃度や温度にわたって酸化性酸(硝酸、過塩素酸、次亜塩素酸など)に対する耐性に優れています。これは表面の薄い酸化被覆によるもので、この被覆は酸化剤によって安定化します。非酸化性酸(塩酸、硫酸、リン酸など)によって若干の腐食が生じることがあり、この腐食は酸の濃度や温度が上がると増大します。例えば、室温での 3 % の HCl(pH は約 0.1)による腐食率は 13 μm/年となります。チタンは室温において、濃度が約 5 % の硫酸(pH は約 0.3 )への耐性があります。塩酸や硫酸に硝酸を加えると、腐食率は大幅に低下します。チタンは FeCl3 や CuCl₂ などの酸性金属塩化物に反応します。チタンは無水メタノール中では腐食しやすくなりますが、この腐食は少量の水(約 3 %)を添加することで防ぐことができます。10 % を超えるアンモニアでは、若干の腐食が生じる可能性があります。
ダイヤモンドライクカーボンは、ほとんどすべての一般的な酸、塩基、溶媒に対して不活性です。HPLC の使用に対する文献で報告された不適合はありません。
フューズドシリカは、Max-Light カートリッジに使用されています。クォーツは、旧タイプのフローセルウィンドウに使用されています。フッ化水素酸とフッ化物を含む酸性溶媒を除く全ての溶媒に対しては、不活性ですが、強塩基によって腐食するため、室温で pH 12 を超える状態で使用しないでください。フローセルウィンドウが腐食すると、測定結果に悪影響を及ぼします。pH が 12 を超える場合は、サファイアウィンドウのフローセルの使用を推奨します。
ゴールドは、特定の pH 範囲において、すべての一般的な HPLC 溶媒、酸、塩基に対し不活性です。シアン化錯体や、王水のような濃縮酸で腐食する可能性があります。
酸化ジルコニウムは、ほとんどすべての一般的な酸、塩基、溶媒に対して不活性です。HPLC の使用に対する文献で報告された不適合はありません。
プラチナ/イリジウムは、ほとんどすべての一般的な酸、塩基、溶媒に対して不活性です。HPLC の使用に対する文献で報告された不適合はありません。
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)、FEP(フッ化エチレンプロピレン)などのフッ素化ポリマーはほとんどすべての一般的な酸、塩基、溶媒に対して不活性です。FFKM はパーフルオロエラストマーであり、ほとんどの化学物質に対しても耐性があります。エラストマーとして、ハロゲン化炭化水素のようないくつかの有機溶媒では膨張する可能性があります。
G1322A/G7122A を除くアジレントのデガッサすべてに使用されている TFE/PDD 共重合体チューブは、Freon、Fluorinert、Vertrel などのフッ素系溶媒と一緒には使用できません。ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)の存在下では寿命が短くなります。HFIP で最長の寿命を得るためには、特定のチャンバをこの溶媒専用とし、溶媒を切り替えず、チャンバ内を乾燥させないようにします。圧力センサーの寿命を伸ばすには、ユニットの電源がオフの間は、チャンバに HFIP が無いようにしてください。
ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に長時間さらされた場合、部品の寿命が短くなることがあります。部品の寿命を最大限まで延ばすには、フィッティングにリークがないことが重要です。リークが発生した場合、ただちに表面を清掃してください。
リークセンサーのチューブの材質は、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)であり、これは、DMF(ジメチルホルムアミド)溶媒と一緒には使用できません。
サファイア、ルビー、酸化アルミニウム(Al₂O3)をベースにしたセラミックは、ほとんどすべての一般的な酸、塩基、溶媒に対して不活性です。HPLC の使用に対する文献で報告された不適合はありません。
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